尾上松也、巨人・原監督と「いつか対談したい」…単独インタビュー

引用元:スポーツ報知
尾上松也、巨人・原監督と「いつか対談したい」…単独インタビュー

 歌舞伎俳優の尾上松也(34)がこのほど、スポーツ報知の単独インタビューに応じた。6年連続でリーダー的役割を担う若手主体の歌舞伎公演「新春浅草歌舞伎」(浅草公会堂、26日まで)が40周年を迎え「チーム浅草として一丸となって、次世代に継承していきたい」と意気込んでいる。趣味は松本幸四郎(47)らと楽しむ草野球で、巨人・原辰徳監督(61)の大ファン。「いつか原監督と対談したい」と熱望している。(有野 博幸)

 端正な顔立ちと良く通る声が魅力の松也は「男の色気を感じさせる」と歌舞伎ファンから人気を集めている。浅草歌舞伎の中心メンバーとして6年目となり「我々の世代が浅草歌舞伎を担うという自覚が年々、増している」と心境を明かした。

 今回は「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ) 寺子屋」の松王丸、「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」の大星由良之助という歌舞伎を代表する2つの役柄に初挑戦。「30代前半でこのような大役をやらせていただけるとは思っていなかったので光栄です。若手にチャンスをいただけるのが、浅草歌舞伎ならではですね」。2日の初日から数日が経過しているが「もう一度、落ち着いて役に向き合いたい」と足元を見つめている。

 昨年は三谷幸喜氏(58)の新作歌舞伎「月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと) 風雲児たち」で大学教授風の男をコミカルに演じた。早々にチケットが完売した話題の「風の谷のナウシカ」にも出演。「團菊祭五月大歌舞伎」の「御所五郎蔵(ごしょごろぞう)」の五郎蔵役など古典作品でも存在感を示し、「2019年は実りの多い年になりました」と振り返った。

 6代目・尾上松助(2005年死去、享年59)の長男として生まれ、5歳で初舞台を踏んだ。ここ数年はミュージカル、テレビドラマにも進出。「芝居をすることに変わりないですから、切り替えは意識しません。いろいろな分野で仕事をして、歌舞伎に注目してもらえたら」。幅広い分野で活躍しながらも「あくまで歌舞伎のため」という意識がぶれることはない。

 幼い頃から巨人ファン。幸四郎をはじめ、中村児太郎(26)、中村橋之助(24)らG党の俳優仲間と野球の話題で盛り上がることも。昨年は幸四郎が率いる歌舞伎チームと八嶋智人(49)、段田安則(62)らの俳優チームで草野球を楽しんだという。「東京ドームを貸し切って試合をしました。原監督が好きなので、背番号は8。三塁の守備は僕が一番うまいですね」。原監督との対談も希望している。

 古典を学び、新作にも果敢に挑む松也は歌舞伎界の将来を担う一人だ。「変化を楽しみたいから、先のことはあまり考えない」と言いつつ、「上っ面だけじゃない、中身のある役者になっていきたい」と意欲を見せている。

 ◆尾上 松也(おのえ・まつや)1985年1月30日、東京都生まれ。34歳。90年5月に歌舞伎座「伽羅先代萩」の鶴千代役で2代目・尾上松也として初舞台。尾上菊五郎劇団で活動し、自主公演も。2012年の蜷川幸雄演出「騒音歌舞伎(ロックミュージカル)ボクの四谷怪談」のお岩、14年のコクーン歌舞伎「三人吉三」のお坊吉三などで注目される。17年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」にも出演。178センチ。音羽屋。 報知新聞社