大江麻理子はWBSを強制リフレッシュ…テレビ業界にも「働き方改革」の大きな波

大江麻理子はWBSを強制リフレッシュ…テレビ業界にも「働き方改革」の大きな波

 テレビ東京系の看板番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」のメインキャスターを務める同局の大江麻理子(41)が8日、自身のツイッターで、同番組を1月いっぱい休むことを明かした。

 大江キャスターはツイッターに以下のように投稿。

「WBSを担当して6年近く。ちょっと疲れが溜まってきていたことと、キャスターの働き方改革を進める会社の方針で、1月いっぱい、お休みをいただくことになりました。毎年この時期に冬休みがあるのですが、それに合わせて有給休暇も消化します。しっかりリフレッシュして2月に戻ってまいりますね!」

 テレビ東京によれば、休暇中の代役は須黒清華アナ(35)と相内優香アナ(33)が務めるという。「働き方改革」の推進により、テレビ局の制作現場も変わりつつある。

 さる在京キー局社員A氏はこう話す。

「メインでも、フリーキャスターの場合、1週間程度休むということはありますが、有給休暇とくっつけて1カ月近く休むというのは、社員である局アナだからできることです。しかし“番組の顔”にそれをさせるということは、テレ東の強い意志を感じます。他のスタッフも積極的に休みを取りなさいという内外へのアピールでしょう。一方、代打で出る女子アナにとってはここは格好のチャンスと言えるでしょうね(笑い)」

 A氏の局でも、有給休暇の取得が推奨されており、以前は夜の12時になると必要最低限の部署以外は一斉に消灯という時期もあったという。

「さすがにそれは非効率だということで今はなくなりました。しかし、経費の締め付けも厳しく、タクシー券などは以前に比べ本当に使えなくなりましたよ」 大江麻理子はWBSを強制リフレッシュ…テレビ業界にも「働き方改革」の大きな波 「働き方改革」って一体…(C)日刊ゲンダイ

テレビ局員にとっては大迷惑?

 しかしドラマやバラエティー番組の収録現場への影響は大きいらしく、ある制作会社のドラマスタッフは、「現場にとっては『働き方改革』はハッキリ言って迷惑です」とこう話す。

「撮影は夜11時には終了するように言われているので、時間内に収まるよう段取りを組みます。しかし、押すことは当然ある。局からタクシー券はタレント本人だけなどと言われることもあり、芸能事務所の若いマネジャーや制作会社のスタッフは局で朝まで時間を潰していることもある。モノ作りの現場にとっては働き方改革なんてしょせんムリな話です」

 一方、芸能担当記者の暮れの仕事のひとつである「NHK紅白歌合戦」のリハーサル日程も今回は変わった。一昨年末は12月29・30・31日の3日間だったが、昨年末は、28・29・30・31日の4日間だったのだ。リハーサル取材は、スタジオで音合わせなどが終わったタレントが順にフォトセッションや囲み取材に応じるもので、スケジュールが押すと、夜の10時を回ることもある。それを回避するために余裕のある日程を取ったと記者の間では言われていたのだが……。NHKに聞いてみた。

「リハーサル日が例年より1日多かったのは、NHKホールのスケジュールの都合によるものです」(NHK広報局)

 例年、同ホールは「NHK交響楽団」がギリギリまで使用しているが、今年は1日早く終わったので、その分、リハーサルに1日多く使えたという。ちなみに4年前の「第67回」のときも同じ理由でリハーサル日は4日あり、「働き方改革」が直接的な理由ではないらしい。しかしながら、具体的な内容は分からないものの、「紅白歌合戦の制作現場においても毎年、すべての過程において『働き方』を意識した改善を進めております」(同広報局)というから、やはり現場は一昔前と同じというわけではないのだろう。

 クリエーティブな現場には「働き方改革」はそぐわないという意見もあるし、そのシワ寄せは正社員ではない下請けに回るだけ。時代の流れが変わっているのは確かだが、納得いかないテレビマンは多い。