「いだてん」最低視聴率記録の理由はいまだ分からず… NHK正月恒例『新春TV放談』

引用元:夕刊フジ
「いだてん」最低視聴率記録の理由はいまだ分からず… NHK正月恒例『新春TV放談』

 【TV視てますか?】

 早いものでNHKの正月恒例「新春TV放談」が今年で12回目を迎えた。始まった頃は24時すぎからのスタートで、それなりのユルさ。「おやすみ日本 眠いいね!」や「今夜も生でさだまさし」のような、いい意味での“深夜色”が好ましかったが、年を追うごとに(評判のよさゆえか)浅い時間になり、今回は午後10時スタート。千原ジュニアのMCは変わらずなのに“グダグダ感”がかなり薄まった。年に一度の“NHKらしからぬ正月番組”というコンセプトだけは捨てないでほしい。

 この番組、「真田丸」と「逃げ恥」の大ヒットを分析した3年前が出色だった。今回、パネリストの佐久間宣行氏(テレ東プロデューサー)が「いだてん」後半を大絶賛していたが(筆者もまったく同感)、業界人の彼から聞きたかったのは「最低視聴率を記録するハメになった理由」だ。その理由が筆者には今もってわからない。

 実は筆者、「いだてん」の最終回を見てしまうのがもったいなく、録画したまま、とうとう大みそか。さすがに年を越すわけにはいかず、紅白が始まる直前、何とか滑り込みで見た。やはり大傑作以外の何物でもなかった。

 今回の「新春TV放談」ではNHKスペシャル「東京ブラックホールII 破壊と創造の1964年」(昨年10月13日放送)も褒めていたので、さっそく見てみた。山田孝之ふんする若者がドラマ仕立てで64年にタイムスリップし、当時を追体験する新手のドキュメンタリーだ。発掘映像と新たな実写との合成技術もすごいが、この番組は「いだてん」と表裏一体。セットで見るのが正解だった。

 3日夜放送のBSプレミアム「映像の世紀プレミアム」第15集も「東京 夢と幻想の1964年」だった。大河ドラマの最終回に突き進んだ宮藤官九郎の力量がよく分かった(「ブラックホールII」の山田孝之が映りこんだラストの映像には首をひねったが…)。

 ともあれ、まずは“1964年”漬けで五輪イヤーが始まった。(新橋のネクタイ巻き)