まるでクジラかオオサンショウウオ?
毎年コンセプトカーを発表しているメルセデスが、なんと映画『アバター』に着想を得たモデル「VISION AVTR」を、現在開催中の「CES 2020」で発表しています。
【全画像をみる】メルセデスが、映画『アバター』とコラボしたモデル「VISION AVTR」を発表 #CES2020
先日、公開10周年を迎えた映画『アバター』。現在はパート4までの3作をまとめて制作中で、2021年の2作目を皮切りに2027年まで、2年おきに、あと3本が劇場にやって来ます。ですが続編の前に、こんなクルマが登場するとは…!?
発光する深海魚のようまずはパンドラの世界観を巧みに採り入れた、その姿をご覧ください。
曲線や光り方がとにかく有機的ですね。ダウンフォースを生むスタビライザーが33個あるという、魚の鱗のような「バイオニック・フラップ」になっています。そしてドアがないのかと思ったら、全面ガラス張りになっていました。
独特の制御モジュールが、人と機械を融合させるまた、手のひらで操作するシフトレバーのようなもので、ダッシュボードのディスプレイを操作していたのも目を引きました。これは、手を置いた人の呼吸と心拍数に応じて振動するとTHE VERGEが伝えており、あたかもナヴィ族が翼竜バンシーを操縦していたときのように、人間と機械との融合を意味します。
次の試乗動画で判明するのですが、どうやらハンドルを廃したことで、これをジョイスティックのように使う制御モジュールにしているようです。さらに面白いのは、肩の高さに上げた手のひらに光のアイコンが照射され、その手を握るとメニューを選択でき、拡張現実的に、パンドラの命の息吹を車内に感じることができる点です。
テーマパークのアトラクションか、リラクゼーションで使うヒーリング装置みたいですね。このまま気持ち良く寝て、起きたら自律運転で目的地に着いていそうです。
「AVTR」の由来とスペック「AVTR」は「アバター」の略かと思いきや、HYPERBEASTでは、それが「ADVANCED VEHICLE TRANSFORMATION」の略だと書かれています。ちょっとこじつけ感がありますが、両方の意味に引っ掛けているんですね。
車体の骨組みであるシャシーは「One Bow」なる構造で作られており、おそらくは弓なりにしなったモノコック構造のようなものかと思われます。そしてバッテリーは廃棄後ゴミになってしまうリチウムイオン電池ではなく、グラフェンをベースにした新しいセル技術を採用した110kWのものを使っているとのこと。これで完全にリサイクル可能な電池となっているのだそうです。
加えてmotor1いわく、シートやダッシュボード、床板などは人工皮革「Dinamica」と、アマゾンのジャングルで採取された木の根「Karoon」を使うことで、無駄な殺生をせず、希土類金属も使わず土に還る素材で環境に配慮しています。
「VISION AVTR」のモーターは470馬力で、航続距離は700kmとのこと。これまたユニークなのは、前後移動だけでなくタイヤが横方向にも回転するため、いわゆる「カニ歩き」で最大30度横向きになることもできるのだそうな。
最後に、CES会場で撮られたTHE VERGEの動画で「VISION AVTR」の全貌をご覧ください。
まるで生きているかのような「AVTR」。もし劇中に登場したら「あ!アレは!」ってなりそうですね。
Source: HYPERBEAST, YouTube (1, 2, 3), THE VERGE, motor1 岡本玄介
メルセデスが、映画『アバター』とコラボしたモデル「VISION AVTR」を発表 #CES2020
引用元:ギズモード・ジャパン