東出昌大、魂の三島語り!歴史文学通がナビゲーターの大役に

東出昌大、魂の三島語り!歴史文学通がナビゲーターの大役に

 俳優、東出昌大(31)がドキュメンタリー映画「三島由紀夫vs(ヴァーサス)東大全共闘 50年目の真実」(豊島圭介監督、3月20日公開)のナビゲーターを務めることが7日、分かった。歴史小説を愛読するなど、史話への造詣の深さは芸能界屈指。今回、戦後の日本文学界を代表する作家で、東出が「不世出の天才」と仰ぐ文豪の生きざまを語り継ぐべく、“三島フリーク”として大役を全うする。

 自他ともに認める歴史好きの東出が、史実の語り手に-。世界的文豪の三島が、1000人を超える東大生を相手に熱弁を振るった1969年5月13日の討論会。日本現代史に刻まれた2時間半の熱闘の記録をナビゲートする。

 映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」は、過激な学生運動で社会が揺れ動いた激動の時代の中で運動をリードした革新派の東大生と、割腹自殺を遂げた保守派の三島とが討論した貴重な場面を映し出したドキュメント。

 作家、瀬戸内寂聴さん(97)をはじめ文学者、ジャーナリストら識者の“生きた”証言を集め、その全貌を明らかにした作品で、自決1年半前の覚悟の決闘が描かれる。最大の目玉は昨年、フィルム原盤として発見された討論会の模様を収めた貴重な記録映像。今回、高精細映像に編集して初めて現代に蘇る。

 史実を伝える案内役として白羽の矢が立ったのが、歴史、文学、落語に造詣が深い東出。2013年後期のNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で大ブレークし、映画、ドラマの主役を多数張る演技派俳優だ。

 三島が陸上自衛隊市ケ谷駐屯地(現防衛省)で自決した70年11月25日に最終回原稿を書き上げた小説「豊饒(ほうじょう)の海」の舞台版(18年)で主演を務めており、今回も畏敬の念を抱きながらナビゲーターを“熱演”。「思春期の頃よりとりこ」と公言し、三島作品を読破するほどの大ファンで「三島と同窓(東大出身)の豊島監督がどのような視点で映像作品にされるのか、大変興味がありました」とオファーを快諾した。

 東出は「(原作を)以前拝読しましたが、映像化されることによって、この時代、日本人、現代を再考し、発見が生まれる機会が得られることを期待しております」と気合十分。三島に共感する男の言葉で紡がれた記録は、歴史となって後世へと受け継がれていく。