プラモなのに“戦車長のがなり声”が聞こえる? タイガー戦車を“舞台装置”に個性豊かな搭乗員を表現

引用元:オリコン
プラモなのに“戦車長のがなり声”が聞こえる? タイガー戦車を“舞台装置”に個性豊かな搭乗員を表現

 第二次世界大戦で活躍したドイツ陸軍の重戦車「タイガー(ティーガー)」は、プラモデル界においても高い人気を誇る。そんな人気戦車を“舞台装置”とし、魅力的な搭乗者たちをフィギュアで制作した馬関のとら。(@NB6Cjolly)氏にインタビューを実施。そんな同氏も、かつては身の丈に合わない模型づくりの妄想を広げ、それを実践できずにいる自分を嫌悪していたのだという。

【写真】タイガー戦車搭乗員たちの顔をチェック!ひとり一人の表情にドラマあり

■高校時代の自分に伝えたい「模型趣味の豊かさ」

――プラモデルの魅力に目覚めた原体験を教えてください。

【馬関のとら。】目覚めは小学校1年生の時でした。当時、私の住む山口県では、アニメ『アルプスの少女ハイジ』の裏番組で『宇宙戦艦ヤマト』が放送されていて、弟とチャンネル権(当時の子どもの最大の関心事)の奪い合いで大喧嘩をしました(笑)。なんとか勝ってヤマトを見ましたが、空を飛ぶ船の魅力に完全にやられてしまいました。

――当時の子どもたち与えた影響は大きかったそうですね。

【馬関のとら。】はい。それで近所の文具店に駆け込み、タミヤの1/700ウォーターラインシリーズの「吹雪」を購入しました。まだニッパーを持っていなかったので、家にある爪切りを使って組み上げましたよ(苦笑)。当時としては最高の出来のキットだったため、それでも十分カッコよかったですね。

――では、プラモ制作にハマったキッカケは?

【馬関のとら。】私は小学校低学年の頃からさまざまな戦記物や簡単な軍事技術の書物を読んでいたということもあって、「カッコいいと思ったものを形にしたい」という気持ちが強かったんです。それがプラモにのめり込むキッカケだったと思います。

――当時は今のようにプラモデルの情報を手に入れるのも難しかったと思います。プラモ制作で影響を受けたものを教えてください。

【馬関のとら。】レジェンドである横山宏先生、松本州平先生、故今井邦孝先生の作品は初期の頃からファンでした。この御三方からの影響は図り知れません。そして、地道にプラモ制作を続けてきたおかげで、横山先生・松本先生と実際にお会いして、直接お話を交わせるようになりました。数十年前、田舎でひとりモソモソとプラモを組み立てていた高校生の自分に、「模型はいいぞ、感謝しろ!励め!」と模型趣味の“豊かさ”を教えてあげたいですね。

――これまで制作した作品でお気に入りは?

【馬関のとら。】1/35 タイガーI を制作した作品です。これは有名な504大隊の131号車です。ちなみに、この車輌は現代まで生き残っていて映画『フューリー』にも登場しました。メーカーはドラゴン品番6820。フィギュアはアルパインを中心に揃えてあります。

――本作品のテーマは何ですか?

【馬関のとら。】テーマは、半透明カラーを使った塗装でドイツのメジャー戦車を作ることでした。また、たくさん買い込んでいるフィギュアキットを組み合わせたいと思っていました。