藤山直美が演じる“静かな女” テレ東系できょう放送のドラマ「最後のオンナ」は衝撃の結末が

引用元:スポーツ報知
藤山直美が演じる“静かな女” テレ東系できょう放送のドラマ「最後のオンナ」は衝撃の結末が

 舞台女優・藤山直美(61)が、きょう6日放送のテレビ東京開局55周年特別企画、新春ドラマスペシャル「最後のオンナ」(後8時)に主演する。同局ドラマの主演は初めて。演出はテレビ朝日系「ドクターX~外科医・大門未知子~」の松田秀和氏、脚本をフジテレビ系「Dr.コトー診療所」の吉田紀子氏と強力布陣によるオリジナル作品だ。このほど藤山がインタビューに応じ、今作への思いを語った。

 「最後のオンナ」が収録されたのは、昨年2月。藤山は2017年に乳がん摘出手術を受け、18年秋に舞台復帰。長丁場で終わったのが同年暮れで、その後ゆっくり休むことなく、このドラマの収録に臨んでいた。

 「このドラマは一度、私のがんでお断りし、ご迷惑をかけました。そういうお仕事を優先したいと思ったからです。ドラマのお仕事は舞台とは違って“違う島”に出掛けるような。そんな気持ちになりますね」

 3年ぶりのドラマは、偶然の出会いから始まる痛快なホームコメディ。藤山は、浅草で働く関西出身のスナックのママを演じている。老舗おかき店を営む無口で不器用な昭和男(岸部一徳)が、初恋の女性とそっくりのそのママと恋仲に発展し、衝撃的なラストを迎える。脚本は藤山に当て書きされたもの。深津絵里(46)、香川照之(54)と主演級の演技派が共演する。

 「(市川)中車(香川)さんや一徳さんは何度もご一緒していて。もう親戚の法事の集まりみたいな感じでしたね。そこへ今回、深津さん。すてきでした。私が言うのも変やけど。すごく良かった。新しい違う風は大事やと思いましたね」

 今年は藤山の役者生活において大事な年。昭和の喜劇王といわれた父、藤山寛美さん(享年60)の没後三十年の特別公演を控えているからだ。藤山の本格的な女優人生は、父亡き後に始まった。追善公演ができるということは、家族がその後を引き継ぎ、繁栄させていることも意味する。

 「でも“弔い公演”はこれが最後です。父は60で逝って私はいま61。人間が60年間、生きるってやっぱり大変なこと。私は父とは半分(30年間)しか一緒にいられなかった。もっと一緒にいたかったなぁ、と思うことはありますよ」

 同時に父親を役者として客観的に見つめ続けてきた。「『藤山寛美』は神がかった役者だったと思います。芝居の神様に使わされたような。その神様に首根っこキュ~っとつまかれて。昭和の高度成長期。『義理人情、ちょっと忘れてません?』の世の中と父の芝居が合った。そんな時代背景もあったでしょう」

 話はドラマに戻る。藤山は演じた主人公を「この女性は、バタバタするところがない。静かな女性なんです」と表現した。藤山直美演じる「静かな女」と聞いただけでも、気にならないだろうか。「ドラマに出てくる浅草も、皆さんがイメージする華やかさとはちょっと違う。関西でいうなら京橋、西九条、針中野、野田阪神、河堀口(こぼれぐち)のような。分かりやすい内容なんで、家事しながら気軽に見て欲しい」とも言った。

 しかし今作のポイントのひとつは、どんでん返し。そのため、“ながら視聴”はお勧めできない。おそらく結末を知れば、もう一度最初から見直したい衝動に駆られる。そんなドラマになっていることをお伝えしておきましょう。 報知新聞社