可愛らしい三姉妹とハードな物語が魅力! 声優・野島裕史がオススメ「自転車漫画」 を語る

引用元:TOKYO FM+
可愛らしい三姉妹とハードな物語が魅力! 声優・野島裕史がオススメ「自転車漫画」 を語る

声優の野島裕史が、自転車をテーマにお届けしているTOKYO FMの番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。12月29日(日)の放送では、リスナーに教えてもらった自転車漫画を紹介しました。

★コミカルな描写もありながら、実用的な内容も描かれていてリアル感が漂う1冊

この日、野島が紹介したのは、ラジオネーム・漱石枕流(そうせきちんりゅう)さんオススメ漫画。大塚志郎さんによる「びわっこ自転車旅行記」(竹書房)です。野島による書評はこちら。

野島:共通の趣味が自転車で、インドアな仕事をしている三姉妹の物語です。絵のタッチが可愛らしくて、ゆるい自転車漫画かと思いきや、読み始めて最初のページに「三姉妹は滋賀県出身。滋賀県民の2人に1人は琵琶湖1周(210km)を自転車で走破していると言われ、自転車魂を持っている」と、本当かどうかは分からないのですが、そんなインパクトのある解説からはじまります。

どんな自転車旅をするのかと思って読みはじめると、第1話で、住んでいる東京から滋賀県の実家を目指します。距離にして500km。真夏の炎天下の自転車旅からはじまるという……。表紙の絵からは想像ができない漫画です。これ、初っ端からすごいハードだと思いました(笑)。

しかもフラットペダルで、服装もサイクルジャージではなく、カジュアルな服装。無謀な挑戦で、やっていることは滅茶苦茶ハードなのですが、絵の可愛らしさと、アニメ・漫画好きの人にとっては、お馴染みのセリフが随所に散りばめられていて、微笑ましく読み進むことができました。

でも、補給ポイントや必要なアイテムなどの実用的な内容も描かれていて、作者の大塚志郎さんが走ったであろう、リアル感が漂っています。そして、各話数ごとに“三姉妹の誰かがリタイアするのでは!?”と思ってしまうくらい、いろんなトラブルに巻き込まれていき、「もう無理だろう…」と毎話思うのですが、それぞれの得意技で乗り越えていきます。

最初から、インパクトのある500kmの旅。次からの自転車ネタは「どうするんだろう?」と思っていたら、そのあとは琵琶湖1周(210km)をママチャリに乗った初心者をまじえて走破。さらに、ラオスに旅立ち、言葉も通じないなか狂犬病の野犬に襲われながら自転車旅をする……などなど、これまた滅茶苦茶ハードな展開がまっているのです(笑)。

また、実際に体験しないとわからないようなことがたくさん描かれているので、作者である大塚志郎さんご自身の自転車旅の体験に基づいた内容になっているのではないかと思います。漫画らしい可愛らしさと、ハードな物語とのギャップが魅力の作品。過酷な内容も、何故か癒されながら読めます。ぜひ、みなさんも読んでみてください。

(「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」2019年12月29日(日)放送より)