御子柴の戦慄の過去が明らかに「悪魔の弁護人」4話

引用元:日刊スポーツ
御子柴の戦慄の過去が明らかに「悪魔の弁護人」4話

俳優要潤(38)主演のフジテレビ系連続ドラマ「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲(ソナタ)~」(土曜午後11時40分)の第4話が、28日に放送される。

要が演じるのは、悪徳の汚名をものともせず、法外な報酬を取り、勝訴のためにはどんな手でも使う、悪魔と呼ばれる弁護士・御子柴礼司。凶悪な犯罪の犯人の元少年Aという衝撃の過去を持っている。御子柴の事務所の事務員・日下部洋子をベッキー(35)が、対立する東京地検次席検事の岬恭平を津田寛治(54)が演じる。作家中山七里氏による弁護士御子柴礼司シリーズのドラマ化。

御子柴の医療少年院時代の担当教官だった稲見武雄を演じる勝野洋(70)は「台本がすごく面白くて引き込まれました。法廷ものはせりふの量も多くて大変だけど、実際やってみないとどうなるかわからないよね。掛け合いの中で何度もやってみたりと集中力も必要。でも(法廷の)その雰囲気がセットですでにできていたので自分が考えていた以上にさっとできました。やっぱり芝居は面白いですよね。車椅子の役は初めてですが、自分がそういう年代になってきたんだなぁって思いましたね。車椅子を動かす練習は特にせず、ぶっつけ本番でやりましたが腰が痛くなりました(笑い)」と話している。

医療少年院の元教官という役どころには「今、少年犯罪とかいろんな犯罪が多く、被害者の方が泣き寝入りしている部分があるでしょ。そういう部分をどこかで救っていくようなものが、このドラマにはあるんじゃないかな。法律とかで決められたことではなく、人間的なところでの救済。せりふにもあるのですが、過ちを犯したら徹底的に反省しなきゃいけないし、償わなきゃいけない。死ぬまで償うという意識がないと相手に伝わらないと思うんですね。人間だから過ちはある、でもその過ちを人が指さして責めるとかじゃなくて、自分で自分をちゃんと見てなきゃいけない。そういう人間として大事なことがこの台本には書いてあるので、すごくメッセージ性があると思い大変共感しました。こうじゃなきゃいけないよな、人間は! と思いましたね」。

ドラマの中では40代と70代を1人で演じ分けている。「ちゃんと老け役になっているか心配(笑い)。頭の色を黒くしたり白くしたりするのはありますが、自分は昭和24年(生まれ)なので70歳ですけど、自分が若い時に想像していた時より(体が)動けるので、動きを含めた見た目は大事かなと思いますね。どういう風に映っているか、ちゃんと違いを出せているのかなぁって、ちょっと心配していますけどね(笑い)」。

少年院のシーンでは多くの少年たちと共演した。「今の13歳、14歳は僕の時と全然違うなって。まず食も文化も違うしね。僕のカントリーは九州・阿蘇の山の中で、遊ぶ相手は蛇とかだったんで(笑い)。全然違うの、話題が。ゲームとか踊りとか。僕は踊りといったら盆踊りぐらいでね(笑い)。全く違うから面白かった。あと、彼らと立ち回りなんかもあって、とても楽しかったですね」と振り返った。

70歳の勝野だが、若々しさを保っている。「昔はジムにも行ったけど、僕には合わなくて。20年ぐらい前に、ある小説を読んで、それに影響されて、そこに書いてあったサイズの木刀を特注して作ったんですよ。長さは170センチちょっと、重さは3キロぐらいの木刀を毎日100本ぐらいの素振りをしているんですけど、それに振られるようになったらダメだなと思っているんですよ。食事も麦飯を炊いたりとか気をつけていますよ。というのも結構、妻(キャシー中島)のチェックが厳しいんですよ。本人は『私はいいの』って言ってますけど(笑い)。時々おなかをキュッと指でつまんできて『最近あなた怠けているわね』って。それがすごく癪(しゃく)に障るんだよね。で、よーしってなって。空き時間にずっとウロウロしたり、ストレッチや屈伸したり。そういうちょっとした積み重ねが大事ですよね」。

「自分としては、このドラマで描かれている『他人じゃなくて、自分で自分を見る』という一点に参りましたね。他人を裁かない、自分を裁けってね。そういうところが割といま人のせいにしてる人が多い世の中で、すごく大事なテーマだと思いますね。そんなテーマ性を持ったドラマなので、私も展開を楽しみにしています」と話している。

第4話では、御子柴(要)は、かつて少年時代に殺人を犯したことがある。医療少年院時代の担当教官だった稲見武雄(勝野)が、入居する老人ホームで介護士の栃野守(小多田直樹)を殺害した容疑で逮捕された。

無理やり弁護人となった御子柴は、初公判で当然のように「無罪」を主張する。しかし、そこで稲見は「私に正当な罰を与えて下さい」と、無罪はおろか減刑すら拒絶する。さらに、御子柴にクビを言い渡す。御子柴はいら立ちを隠さず弁護人席に両手をたたきつる。

その頃、洋子(ベッキー)はある女性を訪ねていた。それは稲見の元妻・石動恭子(赤座美代子)だった。そこで御子柴の戦慄(せんりつ)の過去が明らかになる。14歳で凶悪な罪を犯した園部信一郎(大西利空)はなぜ弁護士・御子柴になったのか。稲見はなぜ下半身不随になったのか。医療少年院で起きた脱走事件の裏にある壮絶な物語が明らかになる。

そんな中、御子柴はまだ稲見の弁護を諦めてはいなかった。稲見が入居していた老人ホーム「伯楽園」で恒常化していたある問題に気付いた御子柴は、被害者である栃野にもまた黒い一面があったのではないかと考えて、栃野の実家を訪れる。しかし栃野の母・一美(山本みどり)は加害者を弁護する御子柴に「あの子を化け物にしたのはマスコミでしょ!」と手厳しく当たる。その言葉にヒントを見いだす御子柴。栃野もまた、過去に人をあやめた殺人者だったのだ。

栃野の過去に関しては岬(津田)も注目し始めていた。だが、たとえ栃野にどんな過去があろうと、稲見が栃野を殺害した事実に変わりはない。御子柴が繰り出すであろう反論をすべて封じる自信を深める岬。果たして、御子柴は稲見の無罪を勝ち取れるのか。