ミルクボーイ、今年テレビ初漫才で令和初のM―1王者に「ウソでしょ。夢、夢、夢…」

引用元:スポーツ報知
ミルクボーイ、今年テレビ初漫才で令和初のM―1王者に「ウソでしょ。夢、夢、夢…」

 結成12年の大阪の苦労人が歴代最高得点をマークし、史上最多参加5040組の頂点に立った。漫才師日本一を決める「M―1グランプリ2019」の決勝が22日、都内で行われ、「ミルクボーイ」が第15代王者に輝いた。

 「母親が好きな朝ごはんの名前を忘れた」という設定で駒場孝(33)がボケると、ツッコミ・内海崇(34)が「コンフレークやろ!」「コンフレーク違う!」などと行ったり来たりする漫才で、過去最高得点だった2004年の「アンタッチャブル」の673点を更新する681点をたたき出し1位通過。「かまいたち」「ぺこぱ」と3組で臨んだ最終決戦でも「最中」をネタにして、審査員7人中6人の支持を集め、決勝はおろか準決勝にも進んだことがなかったコンビが、圧巻の優勝を勝ち取った。

 「今年テレビで漫才させていただいたのは初めてで…。ウソでしょ。夢、夢、夢…」(内海)と自分たちの快挙に驚きを隠せない2人。M―1王者を夢見て芸人を始めたが、M―1が10年で一時中断すると、目標を失い自堕落な生活を送った。「4年くらいサボっていた。趣味のギャンブルに走って…」(内海)、「先輩に誘ってもらうと出かけてばかりでした」(駒場)。一念発起しアルバイトの合間にネタ作りに精を出した。3年連続の準々決勝敗退となった昨年の大会で「霜降り明星」が優勝したことも刺激になった。「後輩が優勝したので負けたくない」と内海は語る。今年、ついに覚醒した。

 審査員も絶賛した。ナイツ・塙宣之(41)は「自分も同じようなネタを作ったけれど、こんなに面白くはできなかった。100点に近い99点」と語れば、松本人志(56)も「行ったり来たり漫才とでも言うんかな。これぞ漫才というものを久しぶりに見せてもらった」と評価した。

 賞金1000万円。内海は「角刈りに切っていただく散髪屋で、専用の散髪台を設置し、(他の人でも)角刈り代を無料にしたい」とぶちあげた。現在もスポーツジムでアルバイトをする駒場は「後輩やお世話になっている人に恩返しできれば。すみません、ボケゼロですね」と語り、優勝の喜びを静かにかみしめた。

 ◆ミルクボーイ 大阪芸大落語研究会の同級生のボケ・駒場孝(33)、ツッコミ・内海崇(34)が2007年に結成。大阪市24区住みます芸人(天王寺区担当)。今年、第8回関西演芸しゃべくり話芸大賞グランプリ受賞。 報知新聞社