NHK大河「いだてん」は駄作だったのか 1年かけ伏線回収…視聴者は付いていけず

引用元:夕刊フジ
NHK大河「いだてん」は駄作だったのか 1年かけ伏線回収…視聴者は付いていけず

 15日に最終回が放送されたNHK大河ドラマ「いだてん」。全47回の期間平均視聴率が関東地区で8・2%、関西地区で7・1%だったことが16日、ビデオリサーチの調べで分かった。大河史上初めての一桁台と数字だけみると散々な結果だが、果たして「いだてん」は駄作だったのか。

 現在と過去がいったりきたりする展開や、スピーディーな進行が大河らしくないと批判も多かったが、後半は“神回”と称される放送回も少なくなかった「いだてん」。

 「現在で作っておくべき内容のドラマで、間違いなく傑作。2019年に必要な作品だった」とドラマ評論家の田幸和歌子氏。「現代と過去が次第にシンクロしていく面白さは、後半盛り上がりをみせた。脚本を担当したクドカン(宮藤官九郎)ならではの面白さだった」と評する。

 しかし一方で、「これだけ豪華な作りなのに、多くの視聴者が脱落していったのは残念。従来の大河ファンは置いてけぼりになったのでは」と指摘する。

 「最近は視聴者が答えを待ってくれない。どのドラマも伏線はすぐに回収する流れ。それだけに1年かかって伏線を回収するなどドラマ偏差値が高すぎるのも考えもの。もう少し短いスパンでギフト的な伏線回収をしてくれれば、脱落者も少なかったかも」とも。

 それでも「クドカンがこれまで書こうとしなかった大人の世界の面倒くささにも手を入れており、大きな収穫があったのではないか」とみている。