ポン・ジュノ監督がこだわりの舞台裏を公開!『パラサイト 半地下の家族』メイキング映像が到着

引用元:Movie Walker
ポン・ジュノ監督がこだわりの舞台裏を公開!『パラサイト 半地下の家族』メイキング映像が到着

第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』が、2020年1月10日(金)より公開される。このたび、メイキングやキャスト、スタッフ、監督のコメントが満載の貴重な特別映像が到着した。

【写真を見る】画面に映るすべての要素にメッセージが…!

すでに韓国では動員1000万人を突破、全米でも今年の外国映画興行収入第1位になるなどヒットを記録している本作。“半地下”の家で生活するしがない内職で日々を繋ぐ貧しいキム一家と、IT企業を経営する裕福なパク社長一家。相反する2つの家族の出会いから、想像を遥かに超える展開へと加速していく物語で、今年のカンヌ国際映画祭では審査員満場一致で最高賞のパルムドールに輝いた。

そしてこのたび到着したのが5分にわたるメイキング映像。役者のセリフや動き、小道具、背景など画面に映るすべての要素にメッセージを込める繊細さから、“ボンテール(ポン・ジュノ+ディテール)”という造語まで生まれるほどのこだわりを持つ監督。映像の冒頭では、本作のテーマを「共生することの難しさ。そこから生じる笑いと恐怖。悲しみの悲喜劇です」と話し、メイキング映像をバックに主演のソン・ガンホも「とても精巧で、その細かさと構成力はさすがポン監督だと唸らされました」と絶賛している。

続いて貧乏一家の長男役チェ・ウシク、豪邸に住む裕福な社長夫人を演じたチョ・ヨジョンなど、キャストたちも予想を超える展開にポン監督のストーリーテリングを絶賛。「ユニークな出来事の連続かと思いきや、十分に起こり得ることかと」というコメントに、本作が世界中で高く評価されている理由が伺える。

また、「脚本を書いた時点で人物の動線がすでに頭の中にありました」というポン監督の緻密な脚本を見事に映像化した立役者が、監督とは『オクジャ/okja』(17)に続き二度目のタッグとなる美術監督イ・ハジュンと、『母なる証明』(09)、『スノーピアサー』(13)につづき3度目のタッグとなる撮影監督のホン・ギョンピョ。

ハジュンが「リアルそのものです」と語る貧乏家族の暮らす半地下の家は、古びた家財道具や地下特有のカビ臭さまでが映像から匂い立つような再現度。一方、「落ち着いた色合いと建築資材で、すっきりと清潔感のある家」であるパク社長宅は、ジュノ監督のこだわりに応えるために大規模なセットが組まれ、パク社長を演じたイ・ソンギュンも「圧倒されました」と当時を振り返っている。

さらに、二つの家族の生活の格差が現れているのは美術のみにとどまらず、ギテク一家の暮らす半地下は「日光が入らず夜は緑がかった蛍光灯」、パク一家の暮らす豪邸は「高級感を出し黄色みのある照明」と、撮影監督ギョンピョがこだわった対照的な光の演出にも注目だ。

メイキングの終わりにはキャストによる役柄紹介も収められており、「僕が演じたギテクはまるで軟体動物のように彼特有のスタイルで状況を解釈して受け入れます」と自身の役柄を語っているのは、ロカルノ国際映画祭でアジア人初のエクセレンスアワードを受賞したガンホ。カンヌ国際映画祭をはじめ、世界中で高い評価を受けているキャスト陣の役柄の解釈と、各々の演技に対する監督や共演者からのコメントは必見だ。最後に、貧乏一家の長女役パク・ソダムが本作を「見終わったあとで一杯飲みながらいろいろ語り合える映画です」と表現。「あれこれ考えてもらえたら嬉しいです」という監督のコメントで締めくくられている。

ガンホが「これまでにない新しさと独創性にあふれた映画です」と語る本作。キャスト、スタッフ一丸となってこだわり抜いた舞台裏を特別映像で見てから、一層深く本作を堪能して欲しい。(Movie Walker・文/富塚 沙羅)