成田凌、口上を生披露で「こんなに緊張する舞台挨拶は初めて」『カツベン!』公開記念舞台挨拶に豪華キャストが集結

引用元:Movie Walker
成田凌、口上を生披露で「こんなに緊張する舞台挨拶は初めて」『カツベン!』公開記念舞台挨拶に豪華キャストが集結

『Shall we ダンス?』(96)や『それでもボクはやってない』(07)の周防正行監督5年ぶりの最新作となる『カツベン!』(公開中)の公開記念舞台挨拶が14日、都内の丸の内TOEIにて開催。主演の成田凌、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、竹中直人、井上真央、竹野内豊ら豪華俳優陣と周防正行監督が登壇し、冒頭では並々ならぬ想いで本作と向き合ってきた成田が、実際に猛特訓のすえ習得した本物の活動弁士の口上で2分間、ひとりしゃべりを行い、公開を迎えた万感の想いを伝えた。

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いまからおよそ100年前の、映画に音がまだなかった時代に活躍した、独自の“しゃべり”で観客を映画に引き込む活動弁士、通称“カツベン”をテーマにした本作。成田演じる“活動弁士”を夢見る若き青年を主人公に、個性的なキャラクターたちと共に映画のはじまりを描く極上のエンタテイメントとなっている。

オーディションで選ばれ本作が映画初主演となる成田は、クランクイン前から現役の活動弁士の指導のもと実際に約半年間かけて活弁の猛特訓を行い習得。そんな一流の活動弁士を唸らせるまでに上達した成田が、まずはイベントの冒頭で役さながらの活動弁士の口上を披露!オーディションから延べ616日間、「片時たりとも『カツベン!』を忘れたことはございません」と本作にかけてきた想いを口上にのせ、「ついに、開幕!!カツベン宜しくお願い申し上げます!!」と書かれた巨大バナーが上から振り落とされ、映画をテーマにした本作らしく華々しく舞台挨拶がスタートした。

成田からの呼び込みにより、続々と豪華キャストたちがステージへ登壇。口上を終えた成田は「こんなに緊張する舞台挨拶は初めて。昨日まで鼻水がずるずるで」と言いつつも、座長として完璧な口上を披露した成田に、同じく“活動弁士”を演じた永瀬も「気持ちがわかるんで僕の方がドキドキしてしまって。すごいすごい」と感心しきり。監督も「舞台上でも口上してもらうなんて、すごいことを強いてしまいました。本当にありがとうございました」と感謝を述べた。また高良も「素晴らしかった」と讃えつつ、同じく“活動弁士”を演じたことから「僕もあるんだろうなと思ってきたんですけど(笑)」と笑いをとる場面も。また劇中で成田と掛け合いで2つの声を演じ分けて活弁を行った黒島は「2つでも本当に難しくて、皆さんは本当にすごいっていう言葉じゃ足りないくらい」だと絶賛した。

さらに竹中が、上映を観たお客さんたちに「楽しかったですか?」と投げかけると会場からは満場の拍手が。井上も「本当に映画愛にあふれた作品。日本全国色々な方の笑い声が響くと思うととても嬉しい」と語り、竹野内も「映画の原点を知ることができる作品。多くの方に観ていただきたい」とアピール。さらに監督は、「世界の映画の父リュミエール兄弟が作ったシステムは、フィルムで撮影してそれをスクリーンに上映し、不特定多数の人と一緒に観るもの。それが映画の定義だった。でもいまは配信で家でスマホなどで観れる。でも映画のもともとの定義は、こうしてみんなで一緒にスクリーンをみるということ。今日の皆さんはまさしく“映画”を観て下さったお客様がた」だと感謝を述べた。

また、友達と昨日本作を劇場に観に行ったと明かした成田は「すごいウケていました。一人すごい大声で笑うおじさんがいて、それがどんどんうつっていくんです。それで劇場に活気が出てきて、まさに『カツベン!』を見るにふさわしい場所だなと」と映画館で観る醍醐味を肌を感じた様子。

またそんな見事な活弁を劇中で披露している高良は、「一生に一度出会えるか出会えないかという役。この役に出会えたことが幸せ。自分の中の映画に対しての想いというのが、もうちょっと増すというか。そういう作品でした」と本作への強い思い入れを明かした。

さらに周防監督とは30年以上の付き合いになるという竹中は、「周防組に来ると楽しい。自分のシーンが終わっちゃうのが寂しくて、もう一個役を売り込んだ」と言い、モーゼの役も演じていることを告白。撮影中もアドリブ全開の竹中に、監督も「アドリブというか、それが竹中直人。意味不明な言葉さえ竹中さんはリアリティを持たせられる」と讃えるいっぽう、一緒にお芝居をした竹野内は「笑いをこらえるのに必死だったんですよ。本番になると竹中さんが全然違うことやるので(笑)」と明かすと会場からも笑いが起きた。

また数々の賞を受賞し、着実に俳優としての成長を遂げている成田だが、俳優としてのベースを聞かれると「いまは本当に楽しむこと。このキャストの方々、監督を見ていて、ものすごく楽しい現場。そういう楽しい現場に自分がするぞっていう責任感を持ってやっていきたい」と抱負を語った。最後には、成田が「本作で100年前に娯楽の王様と言われた活動弁士に初めて触れた方も多いと思いますが、その責任感を持ってやったと思っています。帰って楽しかったと言ってもらえれば幸せ。歓喜雀躍(じゃくやく)、身の幸せでございます!」と口上の言葉を引用して語り、大盛況のなか舞台挨拶は幕を閉じた。(Movie Walker・取材・文/富塚 沙羅)