「WACK合同オーディション」2日目、駆け抜ける候補生に突き付けられた現実

引用元:音楽ナタリー
「WACK合同オーディション」2日目、駆け抜ける候補生に突き付けられた現実

昨日3月23日に音楽事務所WACKのオーディション「WACK合同オーディション2020」の2日目が行われた。

【写真】大貧民をするパンコ・ルナ・ルーフィ、リンゴグミinc、ガミヤサキ。(メディアギャラリー他84件)

このオーディションには候補生18名とWACKの育成グループであるWAggから5名が参加。初日に歌唱審査、ダンス審査、視聴者投票などが行われ、パンコ・ルナ・ルーフィ、リンゴグミinc、ガミヤサキの脱落が決まった。2日目の朝6時30分には脱落者3名が大貧民を行い、その結果ガミヤが勝利。救済措置としてガミヤがオーディションに復帰することとなった。

7時には候補生がマラソンを開始。一斉にスタートを切り、近くにある灯台を折り返し地点にしたコースを2周走った。1位はアオイロコ・カンパイア、2位はアイナスター(WAgg)、3位はパー・ルイと続き、大貧民で敗者復活したガミヤは8位。最下位がアイノ・リ・スタートとなり、脱落が決まった。朝食の時間には昨晩と同じくデスソース入りごはんが一部の席に割り当てられ、デスソースを当てた参加者はニコニコ生放送のカメラにデスソース入りごはんをアピールし、悶絶しながらも時間内にすべての料理を食べきった。

朝食後には初日と同様にWAgg、アオイロコチーム、ファンファンチーム、セックスサマーチームに分かれ、BiS「STUPiD」のダンスレッスンに勤しんだ。初日よりもどのチームも連帯感を感じさせるコミュニケーションを取っていたが、ファンファンチームにいたジギーが腹痛を訴えたため9時に脱落。ファンファン、モンスターアイドル、シオ・フォレスト、火星からウナギの4人はジギー脱落の報を渡辺から受けて、すぐさま歌割り、ダンスのフォーメーションを振り分け直し、練習を再開した。

正午のダンス審査の前に渡辺はジギー脱落にあたって、「体調管理も仕事のうちなので、肝に銘じておいてください。疲れていると普通の子なら顔に出してしまうけど、うちの子はどんなに疲れていてもミュージックビデオ撮影や外ロケで疲れを顔に出しません。そういう積み重ねでCMに使いたいなとか動いてくれる人が増える。よく考えてほしいのは暖かいところにいたとしても、スタッフは寒い思いをしていることもあるので、感謝の気持ちを忘れないように」とコメント。続けて「ライブに向けてリハーサルを何度も重ねるけど、声の調子が悪いからといってリハーサルで声小さめとかは通用しないんです。練習では150%の出来じゃないと本番でお客さんは満足しない。大事なのはどれだけ反復できるか。基本的にこの1週間はすべてにおいて全力でやらないといけない」と助言した。

そして4チームはそれぞれ練習の成果を見せるため、全力で「STUPiD」をパフォーマンス。その後、渡辺は総評で初日のパフォーマンスよりもよくなっているが、履き違えている部分があると指摘する。「僕たちはお客さんと対峙する。恋愛に例えるとわかると思うけど、めっちゃ必死な奴って逃げたくなる。そっけないほうがいいとかあるじゃん?」と初日から彼氏ネタでいじられているア・アンズピア(WAgg)に話を振るも、アンズピアは「いませんのでわかりません」と返す。そんな冗談交じりのやり取りに続けて、「必死さは大事だけど、みんなそこに重きを起きすぎて、ぶっちゃけるとイタい感じになってる。それが悪いわけじゃないけど、そこだけになってないかは今後考えてもらいたい」と話した。続けて「せっかく立ち位置を用意してるのにだんだんみんな後ろに下がる。ステージに立ってて後ろに下がるのは自信のなさが無意識に表れてる。バミリがあるなら、その一歩前に出るくらいやれと言ってる。そのくらいの気持ちじゃないと。顔もまだ下向きなのでもっと上を見ないと。でも気持ちと行動のバランスで必死すぎるとキモい。一朝一夕にはできないけど、今のパフォーマンスだとモテなそうだと思う。アンズピア以外は」と再びアンズピアいじりで振り返りを終えた。個別の審査結果は1位がWAgg、2位がアオイロコチーム、3位がセックスサマーチーム、最下位がファンファンチーム。渡辺はWAggに「サアヤイトが出てきたところがよかった。あとは一番お客さん目線に立てていた。まだまだできるはずなのでがんばってください」、アオイロコチームに「よくなっていたと思うけど正直1回目のほうがよかった。逆に安心したのかなという感じで、初日より下手な感じがした」、セックスサマーチームに「君たちはバラバラ。パフォーマンスだけで言えば最下位だったけど、変えようという意思が見えた点は評価する。でも必死すぎてぎこちなかった」、そして最下位のファンファンチームに「さっき話したキモさが際立ってたかな。単純に変化がわからなかったから最下位です」と伝えた。

ダンス審査の終わりには新たなチーム割りが発表され、「チームセックス」にアオイロコ、セックスサマー、トト、アイナスター、「チームファック」にテラヤマユウカ、ガミヤ、パー・ルイ、キラ・メイ、「チームビッチ」にインポッシブル・マイカ、シオ、ワキワキワッキー、アンズピア、「チームうんち」に火星、フショージ・メグミ、アイノ・リ・スタート、サアヤイト、「チームおしっこ」にウタウウタ、ファンファン、カトー・ムセンシティ部、モンスターが振り分けられた。ダンス審査の課題曲は3度目となる「STUPiD」。しかし今回はオリジナルの振り付けを一切用いずに自作の振り付けでパフォーマンスすることが条件になり、渡辺は「脱落者は3名から4名。グループごとなくなると思ってください」と各チームに連帯感が求められることを示した。さらに「STUPiD」という第3期BiSの楽曲について特に思い入れが強いことを明かし、歌詞の内容になぞらえて「人生って1回しかないし、ここまで来たらやるしかない。でもお前ら苦しそうだよね。この状況の中でも楽しまなきゃ意味ないと思うから意識して。コロナとかいろいろあるし、会社がいつ潰れるかもわからないけどどうせなら笑っていないと」とコメント。「プー・ルイ(ex. BiS、ex. BILLIE IDLE)から『ライブはセックスより気持ちいい』って聞いてるからさ。気持ちいいものを想像してほしいし、イメージトレーニングはすごく大事。MCでいいこと言うアーティストがいるけど、絶対に家で100回も練習してるだろうし、あたかも偶然その言葉がその場で出たかのように見せるのがプロだから」と述べた。

昼食のメニューはカレー。デスソースを引き当てたメンバーのうち、ファンファン、アイノ・リ・スタートは制限時間内に食べ切ることができなかったため、脱落となった。午後には新チームが分かれてレッスンを開始。発表の19時までの猶予は約6時間。各チームは懸命に振り付けのアイデアを出しつつ、振りやフォーメーションを仕上げていった。その間、初日に続き渡辺による候補生への面談が行われた。前日は厳しい発言が目立ったが、この日のフィードバックはメンバーそれぞれの状況に合わせて臨機応変に会話が進められた。ダンス審査でがむしゃらな姿勢が空回りしてしまったことを後悔していたモンスターには「がむしゃらは逃げだから。2期BiSで言えば『9人でBiS』と言って思考停止してるのと同じ」、殻を破れない様子のインポッシブルには自信を持ってもらうために渡辺自らの体験やコンプレックスを例に挙げつつ、「俺らの仕事は本気で人を騙す仕事。この何日間かで人を本気で騙すことにチャレンジしてほしい」と活を入れた。

19時にダンス審査がスタートし、5チームが順にパフォーマンスを披露した。渡辺による総評は「サビの振りは基本的な部分を意識していたのでよかった。残念な点はインパクトを考えてきていない。オリジナルの振り付けの組体操を超えるものがなかったのは残念でした」というもの。続いて順位とその理由が発表された。1位はチームファックで、選ばれた理由は「一番楽しそうだった。サビの振りがすごくよかった。ライブハウスでも手が挙がるだろう。でも間奏は残念だった」。続く2位はチームうんち、3位はチームおしっこ、4位はチームセックス、5位はチームビッチで、2位については「振り自体のリズムが乗りづらく止まっていることが多かった」とのことだが、両手を頭の上で合わせてジャンプする振り付けがよかったという。3位から5位は総じて楽しさが伝わってこなかったそうだが、5位のチームビッチのパフォーマンスを見て渡辺は「フォーメーションに凝りすぎて楽しめていない。徹底してほしいのはサビの振りの簡素化」だと説き、続けてライブハウスでのパフォーマンスではフォーメーションの変化が観客にそこまで見えないということを候補生に伝え、「フォーメーションが生きるのは1万人規模の会場」と持論を展開。ライブハウスではコール&レスポンスやステージの前に出るほうが観客を盛り上げやすいと付け加えた。

夕食後には渡辺の講義が開かれ、“WACKの哲学”とも言える渡辺の考えるエンタテインメント、ビジネスなどがリアルな内容で語られた。その後、視聴者投票が行われ、その結果は1位、初日と同じくトト・パーティン・トト、2位キラ・メイ、3位アンズピアと続き、最下位はアイノ・リ・スタートに。続けて脱落者発表に移り、デスソース入りごはんを食べ切れなったファンファンとアイノ・リ・スタートに加え、新たにモンスター、フショージの脱落が宣告された。しかし渡辺は「もう1日見たいなと思いましたので、本日の脱落者処分は明日までの持ち越しとします。もしやってもらえるなら明日からもがんばってもらいたい」と脱落者に猶予期間を与えることを伝えた。

本日3月24日にはWACK現役メンバーのセントチヒロ・チッチ(BiSH)、トギー(BiS)、月ノウサギ(GANG PARADE)、ユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE)、MiDORiKO EMPiRE(EMPiRE)、ウルウ・ル(CARRY LOOSE)、ナオ・オブ・ナオ(豆柴の大群)が合流。これに先立ち、候補生には本日の昼までにBiSH「オーケストラ」の振り付けを1から作り上げ、現役メンバーの前で発表することとなった。新たなチームは現役メンバーを基準にした編成となり、ウルウ・ルチーム、ナオ&MiDORiKOチーム、トギー&月ノチーム、ドクソンチーム、チッチチームの5チーム制となる。

「WACK合同オーディション2020」新チーム編成ウルウ・ル(CARRY LOOSE)チーム
ウルウ・ル / テラヤマユウカ / セックスサマーウイカ / カトー・ムセンシティ部 / ウタウウタ / サアヤイト

ナオ・オブ・ナオ(豆柴の大群)&MiDORiKO EMPiRE(EMPiRE)チーム
ナオ・オブ・ナオ / MiDORiKO EMPiRE / パー・ルイ / ワキワキワッキー / モンスターアイドル / キラ・メイ

トギー(BiS)&月ノウサギ(CARRY LOOSE)チーム
トギー / 月ノウサギ / インポッシブル・マイカ / トト・パーティン・トト / ガミヤサキ / ア・アンズピア

ユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE)チーム
ユイ・ガ・ドクソン / シオ・フォレスト / ファンファン / アイナスター

セントチヒロ・チッチ(BiSH)チーム
セントチヒロ・チッチ / 火星からウナギ / アオイロコ・カンパイア / アイノ・リ・スタート / フショージ・メグミ

「WACK合同オーディション2020」2日目マラソン順位
1位 アオイロコ・カンパイア
2位 アイナスター(WAgg)
3位 パー・ルイ
4位 サアヤイト(WAgg)
5位 モンスターアイドル
6位 ア・アンズピア(WAgg)
7位 ウタウウタ(WAgg)
8位 ガミヤサキ
9位 シオ・フォレスト
10位 セックスサマーウイカ
11位 ワキワキワッキー
12位 インポッシブル・マイカ
13位 キラ・メイ(WAgg)
14位 フショージ・メグミ
15位 テラヤマユウカ
16位 火星からウナギ
17位 カトー・ムセンシティ部
18位 ジギー
19位 パンコ・ルナ・ルーフィ
20位 トト・パーティン・トト
21位 リンゴグミinc
22位 ファンファン
23位 アイノ・リ・スタート

昼のダンス審査
1位 WAgg
2位 アオイロコ・カンパイア / テラヤマユウカ / フショージ・メグミ / インポッシブル・マイカ / ワキワキワッキー / パー・ルイ
3位 ファンファン / モンスターアイドル / シオ・フォレスト / 火星からウナギ
4位 セックスサマーウイカ / ガミヤサキ / カトー・ムセンシティ部 / アイノ・リ・スタート / トト・パーティン・トト

夜のダンス審査
1位 チームファック
キラ・メイ / テラヤマユウカ / ガミヤサキ / パー・ルイ

2位 チームうんち
サアヤイト / 火星からウナギ / アイノ・リ・スタート / フショージ・メグミ

3位 チームおしっこ
ウタウウタ / カトー・ムセンシティ部 / ファンファン / モンスターアイドル

4位 チームセックス
アイナスター / アオイロコ・カンパイア / トト・パーティン・トト / セックスサマーウイカ

5位 チームビッチ
ア・アンズピア / シオ・フォレスト / インポッシブル・マイカ / ワキワキワッキー

視聴者投票(3月23日)
1位 トト・パーティン・トト(2525票)
2位 キラ・メイ(2050票)
3位 ア・アンズピア(1609票)
4位 セックスサマーウイカ(1495票)
5位 サアヤイト(1413票)
6位 テラヤマユウカ(1097票)
7位 ウタウウタ(1013票)
8位 インポッシブル・マイカ(804票)
9位 フショージ・メグミ(770票)
10位 ワキワキワッキー(734票)
11位 アオイロコ・カンパイア(588票)
12位 パー・ルイ(575票)
13位 アイナスター(473票)
14位 モンスターアイドル(466票)
15位 シオ・フォレスト(343票)
16位 カトー・ムセンシティ部(210票)
17位 ガミヤサキ(163票)
18位 火星からウナギ(145票)
19位 ファンファン(134票)
20位 アイノ・リ・スタート(133票)