大河「麒麟がくる」では賛否両論 染谷将太の“新しい信長”が主役を食う

大河「麒麟がくる」では賛否両論 染谷将太の“新しい信長”が主役を食う

 いよいよ“運命の2人”が出会いを果たし、物語が大きく動き出した感がある。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の話。

 運命の2人とはもちろん、長谷川博己(43)演じる明智光秀と、染谷将太(27)演じる織田信長である。

 “染谷信長”が初めて画面に登場したのは1日に放送された第7回のラストシーン。朝焼けをバックに船に乗った信長がやって来るという、なかなかインパクトのある登場となった。

「この登場は賛否両論のようでしたね。〈神々しい〉〈カッコよかった〉なんて声がある一方で、〈浦島太郎?〉〈子どもが来たかと思った〉などと、染谷のルックスに不安を抱く声も多かった。ただ、このシーンの信長の年齢設定は15歳。子どもっぽくても何ら問題はないんですが」(テレビ誌ライター)

 とはいえ、かつて歴史の教科書で目にした「面長で細い目」の信長の顔が脳裏に刻まれているため、丸顔の信長には多くの視聴者が違和感を覚えてしまうのは致し方ないのかもしれない。

 信長といえば、豊川悦司(57)、江口洋介(52)、小栗旬(37)、吉川晃司(54)、城田優(34)、反町隆史(46)、村上弘明(63)、舘ひろし(69)……これまで多くの俳優が映画やドラマで演じてきたが、比較的面長で切れ長の目の役者が多い印象だ。

 ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏がこう言う。

「1992年放送の大河『信長 KING OF ZIPANGU』で信長を演じたのは、当時25歳だった緒方直人さん。放送前には〈若すぎる〉〈ずいぶん可愛い信長〉といった声があったような……ところがドラマがスタートすると、緒方さんの演技力もあり、視聴者もすんなりと受け入れていた。そう記憶しています」

 演技力でいえば、染谷は20代俳優の中でも群を抜いている。

「公開中の映画『初恋』でも、賢く振る舞おうとしても、うまくいかずに次第に狂気じみていくヤクザを好演しており、とても印象に残っています。丸顔で幼い“染谷信長”が何をきっかけに『泣かぬなら殺してしまおうホトトギス』と考える非情な一面を持つようになるのか……変わっていく過程を見るのが楽しみで仕方ないですね」(山下真夏氏)

 染谷自身も「まさか自分が信長を演じる日が来るなんて思ってもみませんでした」「新しい織田信長を演じられる喜びと同時に大きな責任も感じています」と、同番組のホームページにコメントを残している。

「制作サイドには、これまでにない革新的な信長像をゼロから構築したい、という思いがあるようです」(前出のテレビ誌ライター)

 ちなみに、14年に結婚した染谷の妻は、映画「バベル」「パシフィック・リム」でハリウッドを経験した女優の菊地凛子(39)だ。ひと回り近く年上の国際派女優のお眼鏡にかなった染谷が演じる新しい信長。15日放送回でも狂気の片鱗をチラつかせていた。ひょっとすると、主役を超えるほどの存在感を見せることになりそうだ。