沢尻被告“パリピ”から“パンピー”へ…「更生が償い」都内の実兄飲食店で手伝いも

沢尻被告“パリピ”から“パンピー”へ…「更生が償い」都内の実兄飲食店で手伝いも

 麻薬取締法違反罪に問われた女優の沢尻エリカ被告(33)に対し東京地裁は6日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。滝岡俊文裁判長は「発覚しなければよいという安直な動機に基づく犯行」と非難。沢尻被告は控訴せず、実兄の支援を得て一般人として更生に取り組んでいく。

 沢尻被告は先月31日の初公判と同様、黒のパンツスーツに白いシャツ姿で、髪形も同じポニーテール。赤かった口紅だけはだいぶ薄くした印象。緊張した面持ちで証言台の前に立つと、手を前に組んで背筋を伸ばした。

 懲役1年6月、執行猶予3年。滝岡裁判長から有罪判決を言い渡されると、小さくうなずいた。判決要旨も要所でうなずいて聞き、閉廷すると傍聴席に向かって一礼。真一文字にキュッと口元を結んでから退廷した。

 滝岡裁判長からは、判決後の説諭で「女優として仕事に取り組む前に、その前提として、社会人として他人を思いやる心構えが十分ではなかった」と指摘された。周囲から反対されていたのに、元交際相手ら「夜友」と言われているクラブ仲間とつながり続けたことなどへの批判だ。

 沢尻被告はマスコミ各社に直筆の「謝罪文」を送った。説諭を受け「何よりも、他人を思いやるという気持ち、根本の大切なことが私自身には欠落していたのだと痛感させられました」と反省。「今一度、自分自身を見つめ直していきます」と更生を誓った。控訴はしない方針。閉廷後は入院先の都内の大学病院に戻った。近く退院し、月1回ほどの外来治療を続けていく。

 初公判で女優引退を表明したが、どのような仕事に就くかは決まっていない。まずは、オフになると「パーティーピーポー」にひょう変していた“夜の顔”を封印し「夜友が寄ってこない生活環境をつくること」(知人)が最優先。実兄が初公判で「仕事もサポートしたい」と申し出たことから、都内で経営する飲食店で沢尻被告を働かせる可能性もある。薬物から足を洗い、皿洗いから出直すことも考えられる。

 出演予定だったNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の降板に伴う撮り直しや、CM打ち切りなどで発生した損害額は5億円超ともされる。それだけに「一般人に戻った沢尻被告では到底払いきれない」(広告代理店関係者)という声もある。所属事務所は「今後につきましては、本人との話し合いを重ね、真摯(しんし)に対応してまいります」とコメント。沢尻被告が更生した先には、芸能界復帰も現実味を帯びる。

 《「他人を思いやる心構えを」》

 【裁判長説諭】滝岡裁判長は説諭で「他人を思いやる心構えを身につけてほしい」と呼びかける一方、「同じような犯罪で再犯するのは珍しくない。更生の意欲にうそはないと思うが、二度としないように」とくぎを刺した。説諭では被告にエールが送られることが多いが、沢尻被告の場合は10代(19歳)で違法薬物に手を染めていることから再犯のリスクが高いとされ、滝岡裁判長は忠告も加えたとみられる。