ミュージカル「イノサン」中止 担当P対応に呆れた

引用元:日刊スポーツ
ミュージカル「イノサン」中止 担当P対応に呆れた

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

1月中旬、人気漫画を舞台化したミュージカル「イノサン」のパリ公演の中止が発表された。歌手の中島美嘉が主演し、宮本亜門が演出した舞台だが、中止のニュースを聞いて、「やっぱりな」と思った。

公演は東京で11月から12月にかけて行われたが、公演前の記者会見の時に渡されたリリースに「2月8日にパリ公演」と小さく書かれていた。関係者に聞くと「予定です」と言うだけで、詳細は話してくれなかった。その時、本当にパリ公演が出来るのか、半信半疑だった。

海外での公演ともなれば、出演者やスタッフの渡航費と宿泊費、さらに大道具、衣装、小道具の輸送費などでかなりのお金がかかる。しかも、たった1日だけの公演だったら、大赤字となるのは必至だ。公的な補助金や大企業などのサポートがあればいいけれど、それもなかった。「無理だろうな」と思っていた。

だから、中止の発表にも驚きはなかった。それ以上に、中止の発表直後に一部報道で、中止の遠因として「公演の千秋楽後の稽古で、プロデューサーの意向で脚本が変わった」ことなどが挙げられ、当のプロデューサーがツイッターで反論したが、公演終了直後に2カ月先の公演のために稽古する訳もないし、公式に謝罪もしていない担当プロデューサーがツイッターで堂々と反論だけはする、素人丸出しのやりとりにあきれた。主演の中島が謝罪のコメントを出したが、彼女には罪はなく、被害者でもあるだけに気の毒だった。

2・5次元ミュージカルの人気などもあって、安易に舞台制作に乗り出す傾向があるけれど、今回の騒動は大いなる警鐘になるだろう。