和風でレトロな妖怪退治アクションADV『吾妻邸くわいだん』―からくりだらけの屋敷を探索せよ【爆速プレイレポ】

引用元:Game Spark
和風でレトロな妖怪退治アクションADV『吾妻邸くわいだん』―からくりだらけの屋敷を探索せよ【爆速プレイレポ】

最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

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今回は2020年1月31日にMediascapeよりPC向けにリリースされた、インディーデベロッパー求道庵が手掛けるアクションアドベンチャー『吾妻邸くわいだん』について生の内容をお届けしたいと思います。

『吾妻邸くわいだん』とは
舞台となるのは、1930年代の日本。鬼祓いを行う者である「方相氏」の見習いである「遥」を操り、妖鬼が現れた古い屋敷「吾妻邸」を探索していく3Dアクションアドベンチャーゲームです。1990年代後半から2000年初頭のゲームを思わせるグラフィックや、活動写真風のUIなど、どこかレトロで懐かしい雰囲気が作り上げられています。

本作は、3Dアクションとポイントクリックアドベンチャーが融合しているシステムが最大の特徴。移動、戦闘、探索すべてのシステムがリアルタイムで行われ、最初は操作に混乱してしまいますが、丁寧な操作説明のおかげで、次第にこのシステムに慣れ、遊びやすくなっていくのが実感できます。

『吾妻邸くわいだん』の実内容に迫る!
まずゲーム開始時に、「ラジコン操作」と「スティック操作」の選択が求められます。とりあえずは初期設定のラジコン操作を選び、ゲームスタート。まずは師匠である方相氏「志楼」の指導のもと、訓練用の広場で移動方法と三種類の攻撃とガード、ポイントクリックによる探索の基礎を学んでいきます。

操作説明はいつでも確認できます。
そこに妖鬼に追われて逃げてきた「吾妻邸」の使用人である平助が現れ、広場には巨大な妖鬼である「燭陰」が登場。ここでプレイヤーは「志楼」を操作するチュートリアルバトルが始まりますが、この戦闘もガードをしっかり行わないと勝ち目が少なく、気をつけないと簡単に負けてしまいます。ここで勝つことで、しっかり戦闘の基礎を学べるようになっています。

余裕のある師匠ですが初回プレイでプレイヤーの技量不足で負けました。
戦闘には勝利したものの「志楼」が呪いでカエル姿にされてしまい、見習いながら「遥」が方相氏として屋敷へ向かうところでチュートリアルは終了。ちなみに燭陰戦でラジコン操作に慣れずに2回戦闘に負けたため、以降はスティック操作でのレポートになります。ちなみにスティック移動では、キャラのグラフィックがトゥーン調に変化しています。

油断は禁物!死につながる!
本編が始まり、遥を操作しながら吾妻邸に向かうことになりますが、道中は「餓鬼」や「烏天狗」などの妖鬼を次々と現れます。敵を倒しながら進んでいくと、板が一枚外れて渡れなくなっている吊り橋を発見。崖の周囲を探索し、見つけた木の板を使用してなんとか橋を渡ることができるようになりました。

実際のプレイ動画
新たな道に差しかかったところ、前方の坂道からなにやら大きな岩が転がってきます。この岩を避けながら進まなければならないのですが、この岩が思ったより大きく、最初は避けきれずにダメージを受けてゲームオーバー。このあたりで「このゲームわりと難易度が高いな」と気付かされます。二度目のチャレンジで転がる岩のパターンをしっかりと把握して難関を突破、なんとか吾妻邸に入ることができました。

転がってくる大岩。道幅いっぱいのサイズでスピードも速い!

からくりだらけの吾妻邸!
ようやくたどり着いた屋敷にはメインの母屋と2つの離れがあり、とりあえず母屋に入ろうとしましたが、鍵穴によってロックされています。仕方なく離れに向かうと、こちらも赤と銀の鍵穴でロック済み。色に対応した鍵を見つけなければその扉が開かないシステムは、オーソドックスなアドベンチャーらしいです。ちなみに赤い鍵は庭にあるのですが、探索している間も妖魔は現れ攻撃してくるので油断は禁物です。

青い鍵を見つけ出して入った母屋の中は、「針が動かせる止まった時計」「部品が足りない電話機」「道のない階段」など、明らかに謎のある仕掛けが満載。本作は、基本的に行動範囲やストーリーを進めるため、順番に謎を解いていくシステムになっています。謎解き自体はしっかりと観察しておけば解答のヒントがあるため、プレイしていけば必ず答えにたどり着けるくらいの難易度です。

貴重な回復とセーブ用アイテム。ご利用は計画的に。
ちなみにこのゲーム、セーブ用のアイテムである「木簡」と回復アイテム「百草丸」はゲーム中に決められた数しかなく、無駄な使用は避けなくてはいけません。木簡自体は決して少なすぎる数ではないため、大きなギミックを解いたときやボス戦のあとは、しっかりとセーブをするのをおすすめします。戦闘に負けたらセーブしたところからやり直しになりますので。
屋敷内には回復できるポイントも。細かい探索は自分の命を救います。

屋敷内は手強い妖鬼だらけ!攻撃パターンを理解しよう!
マップ内の妖鬼はほぼ決まった場所で発生し、ある程度距離を取ると動かなくなるため、まず探索中は敵が現れる場所を覚えるのが重要です。ゲーム内には先述の「餓鬼」以外にも、「泥田坊」「傘化け」「目目連」「蛇帯」などがおり、それぞれが独自の行動パターンを持ち、慣れないうちは苦戦する曲者ばかりです。

作中で特に注意したいのは「目目連」と「泥田坊」。どちらも遠距離攻撃をしてくる相手で、他の妖鬼と戦闘中にも狙われる危険性があります。さいわいガードが強力なゲームなので、距離を取りながら確実に一匹ずつ倒していくのを心がけましょう。繰り返しますが、回復アイテムは有限です。

目を開けてくるときだけ攻撃できる強敵・目目連
人々を救い、ボスを倒しながら吾妻邸の謎を解け!屋敷には妖鬼から逃げ延びている人物が何人かおり、彼らを救出したり、登場人物に関連した資料を手に入れることで「吾妻邸に何が起こっているか」が少しずつ明らかになっていきます。どうやらこの屋敷、方相氏と大きく関係がある場所のようですが……。

ストーリーが進むと新しい探索のシステムが登場したり、武器を強化させたりと、プレイヤーの行動も広がっていきます。武器強化には貴重なアイテムを使うため、プレイヤーによっては躊躇するかも知れませんが、少なくとも連続攻撃が可能になる薙刀の強化だけは必須です。ザコを簡単に倒せることで探索が非常にやりやすくなります。

また、章の最後には巨大ボスの戦闘が発生。章の段落を分けるイベントムービーなどが起こるわけではなく、わりと唐突なタイミングで現れるため、常に回復アイテムはひとつ持っておきましょう。

巨大な牛鬼が登場

ここまで紹介してきた『吾妻邸くわいだん』ですが、レトロで斬新、それでいてプレイがわかりやすくなるように丁寧に作られているゲームです。最初は難しい操作ですが、慣れてくるころには「移動しながら妖鬼を倒し、すぐにオブジェクトにアクセスして移動する」一連の行動がシームレスに行うことができるようになり、自分の成長を実感できるのが楽しくなります。ただ、ガードをするためには十字キーの下を入力することが必要で、スティック操作だととっさのガードが少しやりづらいな、ということは感じました。もともと十字キーのみの操作であるラジコン操作だけのゲームだったときの名残でしょうか。

ラジコン操作の移動システム、住みづらそうな仕掛けだらけの屋敷、わかりやすく特徴が付いた扉の鍵、回復とセーブ回数がアイテムで制限されているなど、色々と初期の『バイオハザード』を連想させる作りで、不思議なくぼみが空いていて使用できない井戸のポンプを見たときは探すべきアイテムが一発でわかり、思わず笑ってしまいました。制作側も意識しているようで、どことなく感じるゲームの懐かしさが、プレイのしやすさに一役買っています。

なんかここは菱形の何かをはめる気がするなあ。
制作者がこだわっている「緊張感」という点では、妖鬼の配置のバランスやアイテムの数などが絶妙で、とても良く表現できている作品です。決して敵を次々なぎ倒すタイプの、爽快なプレイ感覚のゲームではありませんが、じっくりマップを探索しながら、自分の腕が磨かれていくのが好きな人にはぜひおすすめのタイトルです。

タイトル:吾妻邸くわいだん
対応機種:PC(Steam)/PlayStation 4
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2020年1月31日
記事執筆時の著者プレイ時間:5時間
価格:PC:2,570円/PS4:2,500円

「爆速プレイレポ」ではハードコアゲーマーなライターから読者に向けて、新作タイトルの生の内容を伝えるプレイレポートをお届けします。対象となるタイトルは、執筆時点で発売48時間内の新作、かつAAAからインディーまで、ジャンルやプラットフォームを問わず「読者が気になるだろうゲーム」もしくは「ハードコアゲーマーのアンテナが反応するゲーム」です。

性質上、本企画においてはゲームの評価や採点は行いません。ストーリーなどの「ネタバレ」も軽度な内容に留まることが殆どです。また、記事執筆にはデベロッパー/パブリッシャーからプレイレポート用として提供されたゲームソフトが含まれる場合もあります。プレイ時間自体も基本的には短い段階での執筆となります。

なお、マルチプラットフォームで展開されている作品においては、対応している機種のうちのひとつのエディションのみをプレイしています。そのため、本文内でプレイした際の使用機種についても明記しています。 Game*Spark Mr.Katoh