女優のアナベラ・シオラ、ワインスタインの裁判でレイプ事件を証言

引用元:ELLE ONLINE
女優のアナベラ・シオラ、ワインスタインの裁判でレイプ事件を証言

90年代にサスペンス映画『ゆりかごを揺らす手』やロマコメ映画『最高の恋人』に出演し、人気を集めたアナベラ・シオラ。順調にキャリアを築いていたのに、その後メジャーな作品に出演しなくなり表舞台から姿を消してしまった。2000年代に入ってドラマ「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」に出演、徐々に活動を再開していた。

2017年にハーヴェイ・ワインスタインの長年に渡る性的暴行が告発されたとき、アナベラも被害者だったことが明らかになった。1993年から1994年にかけての冬にニューヨークの自宅で彼にレイプされたという。今月初めから始まったワインスタインの性的暴行容疑の裁判に今週アナベラが出廷、そのときの様子を証言した。アナベラに対する暴行はすでに時効になっている。今回の裁判は2003年と2006年にワインスタインがそれぞれ異なる女性に対して働いたとされる性的暴行を裁くもので、アナベラの事件と直接の関係はない。でもワインスタインが複数の女性に対して暴行し、脅迫していた事実を証明するために自分の体験を語った。 女優のアナベラ・シオラ、ワインスタインの裁判でレイプ事件を証言 証言後、法廷を出るアナベラ。アナベラ・シオラ(Annabella Sciorra)GETTY IMAGES 事件があった日、アナベラはマンハッタンで開催されたワインスタインの映画会社ミラマックスが主催したディナーに出席していた。帰ろうとすると、ワインスタインは彼女のアパートで降ろすから自分の車に同乗するように提案したという。アナベラによると「車内での会話は普通だった」。アパートにつき、アナベラは車を降りて部屋に帰った。部屋着に着替えた頃にワインスタインが部屋の前にやってきたという。アナベラがドアを開けると彼は部屋に押し入ってきた。「なぜ彼がここにいるのか、理解する暇すらなかった」「ワインスタインは部屋の中を歩き回り」誰もいないのを確認すると「服を脱ぎ始めた」。 女優のアナベラ・シオラ、ワインスタインの裁判でレイプ事件を証言 ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)GETTY IMAGES 「彼が私とセックスしようとしているのに気がついた。彼に出ていくように言った」。でもワインスタインは耳を貸さず、彼女を「ベッドに押し倒し、頭の上で手を押さえつけて抵抗できないようにして」レイプした。その後の様子をアナベラは「私にはもう力が残っていなかった。体が反応しなくなり、まるで発作のように震え始めた」。彼が部屋を出て行った後「私は気を失うか、眠りに落ちるか、失神した」と語っている。

当時アナベラは警察に届けることができなかったとも語っている。その理由について「どのような場合がレイプになるのか知らなかった。性的暴行は裏路地で知らない人に銃を頭に突きつけられて起きるものだと思っていた」と語ったという。ワインスタインは彼女の知人であり、ミラマックスの作品で一緒に仕事もしていた。

事件後は友達から距離をおき、アパートに閉じこもる日が続いたというアナベラ。アルコールに依存し、自傷にも苦しんでいたという。またその後ワインスタインと顔を合わせたときに彼から「このことを他の人に対して話すな」と脅されたことも裁判で明かしている。「とても恐ろしかった。彼の目には悪意があった。その場で私を殴ると思った」。ワインスタインが彼女の機嫌を取り、秘密を守らせるために贈り物を送ってきたことも明かしている。アナベラ曰く「ロマコメ映画『ヒズ・ガール・フライデー』のDVDとポップコーンとリコリス、抗不安剤のジアゼパムが入っていた」「2回目の贈り物は男性器の形をしたチョコレートだった。不適切だと思った」。 女優のアナベラ・シオラ、ワインスタインの裁判でレイプ事件を証言 2018年のアカデミー賞授賞式ではワインスタインを告発したアシュレイやサルマとともにステージに登場した。アシュレイ・ジャッド、アナベラ・シオラ、サルマ・ハエック GETTY IMAGES ジジ・ハディッドも陪審員候補になったことで注目を集めていた今回の裁判。ジジは結局陪審員に選ばれず、男性7人、女性5人で構成された。「ワインスタインの弁護士は、被害者たちと同じ属性を持つ、白人の若い女性をできるだけ陪審員から排除しようと試みた」と報じられている。ワインスタインはすべて同意の上での性行為だと主張しているが、有罪になれば終身刑になる可能性もある。裁判の進展の続報を待ちたい。
(text : Yoko Nagasaka)