『ドラクエ4コマ』が面白かった理由を中井一輝先生が語る ガンガン作家との思い出も

引用元:マグミクス
『ドラクエ4コマ』が面白かった理由を中井一輝先生が語る ガンガン作家との思い出も

 1990年に第1巻が発行され、続々とシリーズが発売した『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場』(以下、ドラクエ4コマ)では、読者投稿の企画からも多数の人気作家が生まれました。黎明期に活躍した柴田亜美先生が絶賛した投稿者だった、中井一輝先生。プロデビュー前から存在感を放ち、「月刊少年ガンガン」「月刊少年ギャグ王」に掲載されたオリジナル作品でも読者を笑わせました。

【画像】「伝説のオチ」を再現 中井一輝先生描き下ろしサイン色紙(10枚)

 当時、他社からもゲームを題材にしたコミックスが発行されていたものの、エニックス(現:スクウェア・エニックス)の『ドラクエ4コマ』をはじめとする『4コママンガ劇場』は突出した人気を誇っていました。

『ドラクエ4コマ』が今も愛される理由や「月刊少年ガンガン」作家陣との思い出について、中井一輝先生にお話を聞きました。

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ーー投稿者時代から先輩作家や編集者と親しくされていたそうですが、プロデビューのきっかけは?

 読者投稿作品だけを集めたコミックス『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場 4コマクラブ傑作集』に掲載された作品がアンケートで1位だったからというのが、編集部からの説明でした。

 ただ、「プロデビュー」という形になったのはそれだけが理由ではなかったようです。聞いた話なので本当かどうかは分かりませんが、当時は読者作品を投稿コンテンツにするか、後の「4コマクラブ」のような賞レース的なものにするかで編集部内の意見が分かれていたそうです。

 そんななか、『ドラクエ4コマ』の常連投稿者の人たちに他の出版社から「うちにも投稿してよ」というような連絡が入ったり(私のところにもきました)、そもそも他と掛け持ちで投稿している常連さんもいたりしたので、そういう人たちをホールドする意味もあって「プロデビュー」という形になったようです。

 実際の契約はホールドする形にはなっていなかったので、「うちはあなたをこれだけ大事にしますよ! 評価しますよ!」的なやり方だったのだと思いますが、その後のゲームアンソロジーコミックの盛り上がりを考えると、うまいやり方だったんだなあと感心します。