吉田茂を中心に戦後政治描くテレ東ドラマに佐々木蔵之介、安田顕、勝地涼

引用元:映画ナタリー
吉田茂を中心に戦後政治描くテレ東ドラマに佐々木蔵之介、安田顕、勝地涼

笑福亭鶴瓶と生田斗真が共演するスペシャルドラマ「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」の新キャストが明らかに。佐々木蔵之介、安田顕、勝地涼、前野朋哉、矢本悠馬が出演する。

【写真】「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」(メディアギャラリー他3件)

麻生和子が娘の視点から父親の姿をつづった「父 吉田茂」を原案に、敗戦後、復興と独立を目指した日本の戦後政治の軌跡を描いた本作。鶴瓶が吉田、生田斗真が吉田の右腕となる白洲次郎、新木優子が和子を演じている。

このたび吉田が自らの政治基盤と後身育成のために作った吉田学校の人物たちが発表された。佐々木が大蔵大臣として吉田に抜擢される池田勇人、安田が吉田の遠縁で池田とはライバル関係にあった佐藤栄作、勝地が池田の秘書官を務めたのち政治家に転身する宮澤喜一、前野が吉田に目をつけられ法務政務次官に抜擢される田中角栄に。4人はのちに内閣総理大臣になったことでも知られる。また矢本が和子の夫で実業家から政治家に転身した麻生太賀吉を演じた。

「空母いぶき」「Fukushima 50」の若松節朗が監督を務めた「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」は、2月24日にテレビ東京系で放送。新キャストとプロデューサーよるコメントは下記の通り。

■ アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~
テレビ東京系 2020年2月24日(月・振休)21:00~23:24

■ 佐々木蔵之介 コメント
吉田茂を鶴瓶さんが演じるとお聞きし、きっと魅力的な作品になると確信しました。バラエティ番組で幾度もお世話になっておりますが、ドラマでご一緒するのは初めて。とても新鮮で楽しい現場となりましたし、鶴瓶さんが役と真摯に向き合う姿にとても感動しました。現場で撮影された鶴瓶さんのスチールは、本物の吉田茂かと見紛うほど。それほどに相当に役に入ってられたのだと思います。秘書の宮澤喜一役の勝地さんとは初共演。撮影初日は大磯の海岸で、ザバザバと海に入るシーンでした。撮影後、ともにシャワーを浴びたおかげで初日から一気に距離が縮まりました。
本作では、戦中戦後の日本で舵取りを担った池田勇人が、議員になる前の、大蔵省に勤めるいち官僚からの登場になります。のちに総理大臣となることは、視聴者の皆様も周知のことですので、そこからの逆算で、劇中当時の池田勇人の役をつくる面白さがありました。数字に強く、情に厚く、親分肌。豪放磊落。そして酒豪。懐が深く、とてもユーモアのある人物です。実家が造り酒屋も営んでいたというのも興味深く(※佐々木の実家も造り酒屋)、出生地の広島県竹原市を訪ねてみたりもしました。劇中には「命を懸けて」という台詞が何度か出てきます。まさに身命を賭して、日本の独立と平和を願い、なすべきことを果たした男たちのドラマです。ぜひお楽しみください。

■ 安田顕 コメント
お話をいただいてうれしかったです。中でも主演の笑福亭鶴瓶さんとご一緒できるというのはうれしく、ぜひという感じでした。我々が思っている通り、周りに対して気遣いをされる方だなという印象です。スチールの方が撮られた鶴瓶さんの写真を見せていただいたんですけども、吉田茂さんそのもので。やっぱりこの作品は鶴瓶さんが吉田茂さんをしないと成り立たないものだと思いました。
今回そんなに役作りはしていないんですけど、残っている映像を拝見したりしながら勉強させていただきました。監督は最初の説明で「短気だ」という話をされていましたけど、“人事の佐藤”と言われただけあって、面倒見のよさであったり、そういったところは適格だったんだろうな、という気がします。
僕が子供の頃の授業は、あまり戦後に時間が割かれなかったので、第2次世界大戦、終戦後にこういったことがあったんだと、脚本を読ませていただきながら、自分自身勉強になるところがけっこうありました。講和条約というものがいかに結ばれたのか、それによって日本がもう一度独立することができた過程を、ドラマとして楽しんでいただければと思います。

■ 勝地涼 コメント
まさか自分が政治家の役をやることになるとは……と少し不思議な気持ちでしたが、そういう年齢になったのかと実感しました。歴史を動かした男たちがいて、今の日本があると思うので、自分に与えられた役をまっとうしたいと思いました。実在の人物を演じるというプレッシャーはもちろんありましたが、台本を読んで、佐々木蔵之介さん演じる池田勇人大臣との関係性が素敵だと思いましたので、そこは大切に演じたいと。秘書官として大臣を尊敬しているからこそ、陰で支えながらも、尻をたたいたりできる2人の関係性をうまく表現できればと心がけました。宮澤喜一は生真面目で無口だけれど、熱い思いを持っている人物。そういう秘めた思いがあるからこそ、歴史を変える力を持った男たちの1人だったのだと思います。
豪華な出演者の方々に囲まれての撮影は、とても刺激的でした。(鶴瓶とは)ドラマでの共演は今回が初めてでしたが、夜の飲みの場での姿とはまったく別の、真面目な鶴瓶さんを間近で見ることが出来ました(笑)。風貌も「吉田茂」そのものでしたし、にこやかな笑顔の裏に、鋭い意見を持つ部分なども、役に通じるところがあるように感じました。あと以前から、佐々木蔵之介さんとはご一緒したいと思っていましたので、今回、共演することができてうれしかったです。撮影をしていく中で、大臣と秘書官という2人のキャラクターがどんどん膨らむ現場でしたので、とてもいい経験ができました。今の時代だからこそ、観てもらいたい作品、観るべき作品だと思います。多くの人に知ってもらいたい歴史が描かれています。その歴史が今の日本につながっていることを改めて考えさせられました。ぜひご家族そろってご覧ください。

■ 前野朋哉 コメント
田中角栄さん役と聞き「えっ? 僕がですか?」と最初は耳を疑いましたが、挑戦させていただく気持ちで受けさせてもらいました。角栄さんは皆さんの記憶にも新しく、なかなか演じられる機会はないと思います。熱意と愛嬌を持ち、さらに頭の回転が鋭く、今の時代にはいない政治家だなぁ、と大変興味深く人となりを調べました。計算が立つことが目立つ一方、根本はとても正直な方。また戦地から病気で帰還され、悲惨な状況を繰り返してはいけないと、政治で戦争をしない日本を作ろうとする角栄さんの姿勢が印象的に感じ、芝居するにあたり、その熱意や人間味を大切にやろうと心掛けました。あと角栄さんの濁声が好きです。僕は声が高いのですが、監督とも話し合いちょっとだけ低い声で演じました。
現場に来て「あ、そっか!」と思ったのですが、鶴瓶さんの標準語は新鮮だと思います。標準語やセリフ量など鶴瓶さんはかなり大変だったと思うのですが、ユーモアを絶やさない方で、吉田学校がまさにそうであったように、鶴瓶学校に通っているような不思議な気持ちにもなりました。僕のアップの際、わざわざ立ち会ってくださったことも感動しました。座長・鶴瓶さんが本当に楽しく素敵なチームを作ってくださり、その一員になれたことがうれしいです。また佐々木蔵之介さん、安田顕さんと肩を並べて激論するシーンは役者としてスリリングで刺激的でした。戦後日本をどうするか? 当時の政治家たちがいろんな思いで議論し、動き、決意します! 今後の日本をどうするか? このドラマを通して、現代の僕ら1人ひとりが考えるきっかけになればうれしいです。

■ 矢本悠馬 コメント
出演が決まったときはこういう社会派なドラマにかねてから出てみたかったので素直にワクワクしましたね。それに若松監督の作品は、役者を始めるずっと前から観ていたので、やった!と興奮しました! そして何と言っても、これをきっかけに学生服とおさらばできる!なんて思いました(笑)。
今回は、台本の中に存在する麻生太賀吉さんを大事に、まじめで誠実で優しくて優しくて優しくて優しい人柄に柔らかなイメージと笑顔!!を忘れないように心がけました。他の演者さんとも話したんですけど、やっぱり歴史に名を残した方を演じるというのは、奇妙にもテンションが上がると言いますか、気持ちいいものでしたね。
鶴瓶さんとは初対面で初共演だったんで「初めまして!」と挨拶したら、「初めてちゃうやろ!」って言われたんです。詳しく聞くと師匠の番組で何回か僕の宣材写真だったり話があったから、会うてるもんやと思ってたみたいです(笑)。とても笑顔の絶えない素敵な方でした!というか吉田茂さん、そっくりですよ!! あと新木優子さんをお嫁さんにできただけで大満足です(笑)。自慢します。蔵之介さんや安田さんたちと政治を討論するシーンはなんか痺れました。先輩かっこいい!勉強になります!!って……いい体験をさせていただきました。今の若い子は特に……自分も含めてですけど……平和な日本が当たり前で、生まれる前もこれから先もずっと続いてるみたいな感覚がどこかあって。でも今の日本があるのは、死ぬ気で日本の未来を考え戦ってくれた人たちがいたからなんですよね。当たり前だと思っちゃいけない。適当に生きてちゃダメですね。歴史を知らないと。母国に興味を持たないと。僕はこの作品を通してそう感じました。

■ 倉地雄大(テレビ東京 プロデューサー) コメント
このコメントを書く前日に、ドラマ本編の編集を行いました。皆さん、「戦後の話でしょう」「政治モノでしょう」と題材から敬遠されるかもしれませんが、全然そんなことありません! 昭和63年生の僕は宮澤喜一さんですら、リアルタイムでは覚えていません。でもめちゃめちゃ面白いです! 見所はたくさんありますが、その中で一つの見せ場となっているのが、熱き男たちの“熱量”のぶつかり合いです。今回出演発表する5人の熱き男たちは、吉田茂の元に集った癖者たちです。決して馴れ合わず、大きな野心を抱え、それぞれの考える方法で日本を良くしようと必死になって闘って、後にそれを実現した人たちです。実在の政治家の“熱量”を演じる5人の芝居熱のぶつかり合いは、見ているこちらの息をつかせないような、エネルギーが凝縮されたような圧倒的なシーンになっています。テレ東初出演の佐々木蔵之介さんは、険しさ・変わり者の中にどこか愛くるしさを併せ持つ池田勇人を作ってくださり、佐藤栄作演じる安田顕さんは圧倒的な芝居力で、吉田学校の代表格を見事に演じてくれています。前野朋哉さん演じる田中角栄の物怖じしない真っすぐな姿勢も、矢本悠馬さん演じる多賀吉の包むような優しさも、勝地涼さん演じる宮澤喜一の池田との距離感や聡明さも、本当にどこを切り取っても素晴らしいです!
2020年が始まり、想像以上に激動のスタートとなったと感じています。このドラマを、このタイミングで放送することに、“大きな意味”も感じました。皆さんの期待に応えられるようなドラマになっていると思います! 是非ご覧ください!

(c)テレビ東京