“意思疎通を取れない子ども”と“学校に行けなくなった息子” 子育てに苦悩を抱えるママが気づいたこと

引用元:オリコン
“意思疎通を取れない子ども”と“学校に行けなくなった息子” 子育てに苦悩を抱えるママが気づいたこと

 子どもとの接し方や向き合い方に悩んだり迷ったり、不安を抱えたりする母親は少なくないはず。そういった子育て中のもどかしさや苦悩を描いた漫画をSNSで発信して注目を集めている2人の作者がいる。1人目は、発達障害の2人のお子さんたちとの日常や、障害と向き合うことで感じたことを漫画にしているちちゃこさん(@chichako07)。漫画を描いたきっかけや、“療育”を行う中で気づかされたことについて話を聞いた。

【ちちゃこさん漫画】「子どもと意思疎通が取れず苦しんだ」発達障害の子どもを持つママが得た気づきとは?

■少数派が生きやすい生活が、“療育”の中にはきちんと確立されている

 ADHD(注意欠陥多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)軽度ののぼるくん(7歳)とASD中度のひとしくん(5歳)、2人のお子さんを子育て中のちちゃこさん。「なかなか意思疎通が取れないため、子どもの障害を疑っていたけれど誰にも信じてもらえず、モヤモヤとした悩みを吐き出したくて漫画を描いてみた」と当初の心境を振り返る。

「“療育”を通じてたくさんの方々とつながることができて、「TEACCHプログラム」と「ABA」がうちの子にはベストだとわかりました(TEACCHはアメリカのノースカロライナ州で行われ始めた支援プログラム、ABAは応用行動分析学の略称)。今は自閉症スペクトラムの講座や発達障害の勉強会にも積極的に参加して学んでいます。また、親も支援の第一人者として育ててもらえる療育先に転園することができたので、子どもと一緒に頑張って通っています」

 ちちゃこさんは、最初は「療育に通ったら普通の子どもになれる」と思っていたが、「“普通の子”と“障害児”はどこが違うのだろう?」と、療育に通い出してから考えるようになったという。

「佐々木正美先生の講座で「障害はあなたと私にあるのではなく、私とあなたの間に障害があるのです」という言葉を聞いて、今まで抱えていた悩みの答えが見つかったような気がしました。そして、「障害児」=「劣っている子」とどこかで思っていた自分を恥じました。社会は多数派(定型発達)で構成されていて、少数派(発達障害)が生きづらいのは当たり前です。でも、少数派が生きやすい生活は確かに療育の世界の中に確立されていて、この療育の概念を社会の中にも取り入れることができたら、どんな人でも生きやすくなるのではないかなと感じました」