吉田栄作、権力者の孤独を描く舞台に出演「ゴーン被告が見たら涙するかも」

吉田栄作、権力者の孤独を描く舞台に出演「ゴーン被告が見たら涙するかも」

 俳優、吉田栄作(51)が27日に開幕する出演舞台「メアリ・スチュアート」(演出・森新太郎、2月16日まで)のけいこに奮闘中だ。

 同作はドイツの劇作家で詩人、思想家としても知られるフリードリヒ・シラーの壮大なスケールの群像史劇。16世紀末、イングランド北部に幽閉されたスコットランド女王、メアリ・スチュアート(長谷川京子)と、イングランドのエリザベス女王(シルビア・グラブ)の対立を中心に、2人を取り巻く人々の人間模様を描く。

 吉田は、2人の女王から寵愛を受ける策略家のレスター伯役で出演。けいこを通じて演出の森氏とともにベストなレスター像を模索中で「とにかく軽い演技にならないように、その中でリアリティーを追求したい」と真剣なまなざしで語った。

 森氏については「例えば、(女性の)抱き方の角度まで注意を払う。細やかな視点があるし、演出家らしい演出家」と全幅の信頼を置く。

 舞台装置などは極力シンプルで、その分、役者の演技力が試される構成で厳しさも伴うが「かなり骨太で、いろんな意味で汗をかく作品。何事も楽をしてはダメだし、何を与えられても、不可能はないという方向に着地したい」と俳優魂を燃やしている。

 複雑に交錯する思惑や権力者の孤独も描かれ、「現代社会にも通じるメッセージがあり、遠い昔にあった物語にはしたくない」と力説。続けて「例えば(レバノンに逃亡中の)ゴーン被告が見たら涙するかも…」と思いをはせていた。

 2020年、今作で本格始動する吉田。今後はアーティストとして、東名阪のライブツアーも予定しており、「今年も目の前の壁や山をクリアしながら進みたい」と決意表明。

 今作をやりきった後の景色については「キャスト、スタッフと力を合わせて乗り越えて、みんなで乾杯するのが小さなゴール。それを積み重ねていくしかない」と力説。東京五輪・パラリンピックイヤーで盛り上がる日本だが、地に足をつけて着実に歩んでいく。