観れば観るほどハマる群像劇『ダウントン・アビー』が公開中

引用元:ぴあ
観れば観るほどハマる群像劇『ダウントン・アビー』が公開中

全世界で人気を集めた傑作ドラマ初の劇場版『ダウントン・アビー』が日本での公開をスタートしている。本作は英国の大邸宅を舞台に、当主、娘たち、邸宅で働く人々のドラマが描かれる作品で、観れば観るほど新たな発見があり、深みにハマっていく内容。日本公開からまだ数日だが、早くもリピート観賞する観客も出てきているようだ。

その他の場面写真

本作の舞台になっている大邸宅ダウントン・アビーは“カントリー・ハウス”と称される巨大な屋敷と庭からなる施設。そこにはクローリー家の人々と使用人が暮らしており、様々な人々が出入りする。家の当主は単なる金持ちや成功者ではなく、この家を先代から引継ぎ、それを守り、次の代に渡す使命を負っている。2010年にスタートし、6シーズンが製作されたドラマは、様々なエピソードを盛り込みながら“ダウントン・アビーを一体、誰が相続し、守り抜くのか?”がメインのドラマとして描かれた。

シリーズは2015年に終了したが、ファンの熱が冷めることなく続いており、満を持して製作されたのが映画版だ。ドラマに続いて名手ジュリアン・フェロウズが脚本を執筆。ドラマの最終回から2年後の1927年秋が舞台で、英国国王夫妻のダウントン・アビー訪問と、邸宅内の激動のドラマが描かれる。

本シリーズは膨大な数の登場人物と錯綜するドラマ、キャラクターの成長、現実社会とのリンク、邸宅の継承をテーマにしつつも“時代の変化と共にカントリーハウスは維持できなくなっていく”ことを同時描く脚本の巧みさなど、見どころ満載の作品だが、そもそもがTVシリーズを基にしているので前シリーズを熱心に観ていなくても“途中参加”できる仕掛けが随所に盛り込まれている。

映画版も存分に楽しむには予習必須だが、“飛び込み”で劇場に足を運んでも、観ていくうちにキャラクターの関係や物語の展開が少しずつ把握できるようになっている。ちなみに本シリーズは英国の上流社会を舞台にした作品ではあるが、その展開は時に衝撃的だったり、爆笑を誘うエピソードも多い。謎に導かれて、予想を裏切る展開に翻弄されて……気がつくと想像以上に刺激的な体験をした気持ちになれる。そんな“意外の一面”も『ダウントン・アビー』の魅力のひとつだ。

『ダウントン・アビー』
公開中